習い事教室やサークルなど、これまで練習を行ってきた成果を発表する場「発表会」があります。ピアノ発表会、バレエ・ダンス発表会、楽器の演奏会、歌声発表会など、様々な発表会に向けて頑張ってきた生徒様のために、見やすくわかりやすいプログラムを作成し、晴れ舞台に花を添えるアイテムとして作成したいところですが、作成に慣れていない場合、
「どんな内容でどんな形でパンフレットを作成するのかわからない。」
「むしろそこに時間をかけている余裕がない。」
という方も多いのではないでしょうか。
今回はその発表会を観覧して頂く皆様に配布する「プログラム冊子」についてお話させて頂きます。
まずは何を入れるのかを決めましょう
プログラム冊子を作成するにあたり、まず考えるべき点は「何をいれるか」という事です。その入れる内容のボリュームによって印刷の仕様なども変わってきます。入れたい内容と構成を考える事で自然と仕上がりの形が見えてきます。
それではプログラム冊子にはどのような内容が入っているのか見てみましょう。
・表紙となるページ・・・発表会のタイトル、開催日時などの記載 |
・演目紹介・・・タイムテーブルとしての演目紹介 |
・発表者プロフィール・・・演奏者、発表者の御名前や顔写真 |
・講師・教室の紹介/挨拶文・・・主催の講師の方のご挨拶、プロフィール、または教室の案内 |
・会場アクセス・・・当日の会場の地図や住所、アクセス方法など |
◆表紙となるページ
プログラム冊子の表紙となるページには「発表会のタイトル」や「開催場所」「開催日」などが多く入れられます。お渡しする方に向けてではなく、記念として保管して置く際に、開催場所や開催日が入っている事で、思い出も鮮明になってくるはずです。また、イメージに合ったイラストや写真などを入れる場合もあります。
◆演目紹介
曲目については詳しくない方が観覧いただく場合もありますので、なるべく作曲者等の情報も入れてあげると親切なプログラムになります。タイムテーブル代わりとなりますので、演奏順に記載するのが一般的となります。休憩などが入る場合には、その旨を記載する事で観覧する方のトイレ休憩などの時間をお伝えする事も出来ます。
◆発表者プロフィール
演奏、また発表者のプロフィールとして御名前や顔写真を入れる事で、身内の方やご友人が見た時に嬉しいポイントにもなります。顔写真を入れる場合にはお子様などの場合には特に保護者様への許可を取る事を忘れずに行いましょう。また個人情報となりますので取り扱いも注意しましょう。
◆講師・教室の紹介/挨拶文
やはり当日会場まで足を運んで頂いたご来場者様に向けて、感謝の気持ちや、生徒様の日ごろの頑張りをお伝えする意味でもご挨拶となる文章を入れると、より温かみのあるプログラムとなります。また、当日の発表会を見た方が「自分もやってみたい」と思った時に、教室の案内やホームページなどのURLが入っている事で、集客のツールとして利用する事も出来ます。ホームページやSNSなどのURL等に関してはQRコードで表示する事で、待ち時間などにスマホで気軽に見て頂く事も可能となりますのでお勧めの方法です。
◆会場アクセス
当日ホールなどの会場を借りて開催する場合には会場の周辺地図や会場までのアクセス方法を入れる事があります。こちらは発表会当日ではなく事前に配布するパターンに多く入れられる項目です。当日配布する場合にはあまり入れない項目となります。お車で来場される方、公共の交通機関で来場される方に向けてアクセス方法を記載しましょう、。
また、上記の内容とは別に協賛としてご協力いただいたスポンサー様の広告枠を入れる場合もあります。その場合には、スポンサーとなって頂く業者様にその旨をお伝えし、広告となる画像データなどを頂くと印刷の際にはスムーズに配置出来ます。
上記はあくまで一例となりますので、必ず入っていなければいけないという項目ではありません。表紙や演目の紹介などは必ず入ってくる項目となりますので、記載するボリュームに応じて、その他のコンテンツを決めていくと自然と全体の構成が見えてきます。
ページ数に応じて製本方法を選ぶ
全体の構成が決まったらそれぞれのページのボリュームによって全体のページ数が決まってきます。どのような形でプログラム冊子を仕上げるのかが、そのページ数で決まる形になります。
4ページなら二つ折り
表紙、演目、裏表紙、といった形式であれば1ページ目に「表紙」、2ページ目、3ページ目の見開き部分を使って「演目」、最後の裏表紙部分となる4ページ目に会場の情報などを入れるような形で作成するとした場合全体のページ数は4ページとなり、二つ折り冊子での作成がおススメとなります。パンフレットとしては最も一般的な形になります。
8ページ以上なら中綴じ冊子
上記の内容に加え、プロフィールページなどを多く入れたい場合には中綴じタイプでの作成がおススメとなります。注意点として中綴じ冊子対応の場合にはページ数が4の倍数であることが条件となりますので、上記の内容にプロフィールのページで2ページ追加した場合には合計で6ページとなるので中綴じ冊子を作成する事が出来ません。そこで最初に紹介させて頂いた講師の方のプロフィールや教室案内、会場案内のページを作成して4の倍数であるページ数に合わせる必要があります。もちろん表紙の内側を白紙にするなどの調整方法もあります。
6ページでも大丈夫【三つ折りパンフレットでの作成】
先ほど6ページの場合には2ページ分の追加を行って中綴じに・・・と書きましたが6ページの構成でももちろん作成は可能です。その場合は「三つ折りパンフレット」の形式で作成しましょう。
三つ折りパンフレットといっても仕上がりのサイズ(折り畳んだサイズ)によって印刷方式が変わります。また、印刷の費用も変わってきますので、ここでいくつかご紹介させて頂きます。
ダイナミックに展開!長尺印刷を使用した三つ折りパンフレット
A4サイズの用紙を横に3枚並べたサイズの紙を三つに折って作成する三つ折りパンフレット(A4仕上がり)では、その形状の特性上、見開きページを大きく使う事が出来、演目やプロフィールなど、大きなスペースで展開する事が出来ます。外側となるページも表紙のデザインと統一感を出しながら作成する事で、デザイン性の高いパンフレットを作成する事が出来ます。少部数でも印刷はもちろん対応可能ですが、二つ折りなどに比べると少しコストが高くなることがありますので注意が必要です。
コストを抑えながら三つ折りパンフレット【A3の三つ折りタイプ】
意外と多くのプログラム冊子で使用される冊子タイプとしてA3サイズを三つ折りにして長方形のパンフレットとして仕上げる見開きA3サイズの三つ折り冊子というものがあります。こちらのパターンは色のついた用紙【色上質紙】にモノクロで印刷を行い、お値打ちに作成する方式となります。お値打ちとはいえ、閉じた時のサイズはコンパクトになり、持ち運びの際にも邪魔になりません。また、開いた時のサイズはA3サイズとなり、情報量も多く掲載でき、長方形のページが6ページ分作成出来ますので、上手くデータ作成をすればとても使い勝手の良いプログラム冊子となるわけです。
色上質紙についてはこちらに詳しくご説明させて頂いております。
よりコンパクトな三つ折りパンフレット【A4の三つ折りタイプ】
開いた時のサイズ、つまり見開きサイズがA4となる三つ折りタイプのプログラムも低コストなタイプとなります。注意点は非常にコンパクトになるため、文字の大きさなども小さくなってしまうことです。記載する内容が多くなると、同時に文字の大きさも限られてきてしまい、読みにくくなってしまう恐れがありますが、デザイン次第では最もお値打ちに作成する事が出来るタイプとなります。
用紙を選ぶ
作成する形が決まったら印刷用紙を選びましょう。印刷用紙は印刷物の印象を決める大事な要素になります。せっかくのプログラム冊子ですので、ペラペラのコピー用紙よりは、しっかりとした用紙で印刷をしたいところです。
コート紙
コート紙とは折込み広告等チラシとして使われ、非常に身近で毎日のように見かけている用紙です。
両面にコーティングがされており、光沢があるので写真などカラーの再現性にすぐれキレイな仕上りになります。
目立たせたい印刷物にお勧めです。
主な用途はチラシ、リーフレット、パンフレット、会社案内、メニュー、ポスター、小冊子、等もっとも多くの場面で使用されている用紙の1つです。
マットコート紙
マットコート紙とはコート紙の光沢を抑えた紙です
艶消しのコーティングがされており印刷部分のみ光沢が出るため写真映えが良く落ち着いた雰囲気の印刷物に仕上がります。
反射が抑えられる為読みやすく、カレンダーなど文字と写真が使用される印刷物にお勧めです。
主な用途はリーフレット、カタログ、パンフレット、ポスター等どちらかと言えば高級感を出したい印刷物に使用される場合が多い用紙です。
上質紙
上質紙とは一般的に使用されている用紙で、なじみの深いコピー用紙とほぼ同等の風合いですが印刷適性が上質紙の方が高いです。
光沢が無く光の反射をしない為、読みやすく文字の多い報告書や書籍などに適しています。
また書き込みの必要な印刷物にお勧めです。
主な用途は報告書、チラシ、取扱説明書、挨拶文、案内状、ポストカード等広く使用されます。
色上質紙
色上質とは「上質紙」の両面に色を付けた用紙になり、様々な印刷物に使用されます。用紙の厚みも薄口から超厚口まであり、使用用途は様々です。
発表会のパンフレットやプログラム、冊子の表紙や扉紙などに多く用いられる事が多くモノクロ印刷でも目立つ印刷物を作成する事が可能ですが、色上質紙で印刷を行う場合には印刷色に注意が必要です。
色上質紙への印刷は印刷用のインクが用紙の色の影響を受けてしまいます。したがって色上質紙へのカラー印刷は、よほど薄い色の用紙を使用しない限りはおススメしていません。黒などの濃い色は影響を受けにくくなりますので、一般的にはモノクロでの印刷をおススメしています。
デザインについて
作成する内容も決まった、用紙も決まった、という事で印刷用のデータを作成・・・という所で
「どんな形式でデータを作成したらいいのか・・・」という問題が発生します。
基本的には御自分の使い慣れたツールで作成頂ければ大丈夫です。
ワードやパワーポイント、イラストレーターやフォトショップ、または最近使用する方が非常に多くなってきている無料デザインツール「Canva」など、様々なデザインツールが存在していますが、基本的には最終的なデータ形式はPDFで、と言われることが多くあります。PDFの形式であれば文字バケなどの不具合が起きにくく、作成したデータと同じ印刷物が仕上がります。
WordでーたやPowerPointデータをPDFへ変換する方法については下記のコラムをご参照ください。
本当はもっと飾りを入れたいけどやり方がわからない・・・
」ワードで作成してPDFに変換までは出来たけど、本当はもう少し飾りを入れて素敵なイメージにしたい・・・何とかできないでしょうか・・・?」
そんなご相談を数多く頂きます。全ての方がデータ作成に慣れているわけでもありません。ましてや本来の目的は発表会の開催。生徒様の指導や会場の手配など、やることが多くなる中、なかなかプログラム冊子のデータ作成に時間をかけている場合では無くなってしまう事もあります。
そこでレスキュープリントではご入稿頂いたデータの空白部分に簡単なイラスト(フリー素材)をこちらで入れることが可能です。
あくまでフリー素材を使用したイラストとなりますので、細かな指定は出来ません。予めご了承ください。また、イラストだけでなくプログラムにページ番号を入れる事も可能です。目次と連動したページ番号が入る事で、非常に見やすい冊子の作成が可能です。
データ作成に不慣れな方は一度ご相談ください。
印刷方法について
これまでデータの作り方や構成、仕上がりの形についてお話させて頂きましたが、いざ印刷をどこかに依頼しようと思った時に、どの印刷会社を選ぶのがいいのでしょうか。
印刷方式は主に「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」について分ける事が出来ます。
オンデマンド印刷とオフセット印刷の決定的な違いとは?
オンデマンド印刷とオフセット印刷の最も大きな違いは、「版」の存在です。
レスキュープリントが最も得意とする「オンデマンド印刷」では版を使用せずにレーザープリンターなどの高速デジタル印刷機による印刷を行います。「オンデマンド」という言葉の通り「必要な分だけ、必要な時に」印刷をするという印刷方式です。お客様からご入稿頂きましたデータ、もしくは弊社で作成させて頂いたデータを確認後、そのまま印刷へ移ることが出来ます。
対してオフセット印刷とは「版」を使用した印刷方式となります。印刷したいデータをすぐに印刷できるわけではなく、そのデータを元に製版、刷版という工程を踏まえた上で印刷をする事になります。
プログラム冊子を印刷するにあたり、来場者数や会場の規模に応じて印刷部数を決める必要があります。数十冊の場合や、数百冊の場合、様々なパターンがありますが、必要な部数に応じて印刷方式を決める事が大切です。
オンデマンド印刷 | オフセット印刷 |
少ロット、少量の印刷物向き | 大量印刷向き |
短納期、お急ぎの場合に | 印刷物をじっくり作成する場合に |
必要な分だけ印刷できる | 高品質で高精細な印刷物 |
大量印刷は割高 | 少量印刷は割高 |
上記の表に記載したように100冊程度のプログラム冊子を印刷する場合、オフセット印刷では費用が非常に高くなってしまう事があります。反対に1000部以上になった場合にはオンデマンド印刷ではコストがかかりすぎてしまいます。
御見積頂く際にご相談頂けましたら最適な印刷方法をご提案させて頂きます。
最後に
最初にも書きましたが、発表会はこれまで練習してきた成果を皆さんに披露する晴れ舞台です。そんな晴れ舞台に花を添えるのが舞台装飾であり、プログラム冊子でもあります。特に冊子はその日だけの特別な記念品として手元に残るものになります。発表を前に緊張する生徒様の背中をグッと押してあげる事ができるような素敵なプログラム冊子を作成してみませんか?
レスキュープリントでは店舗での打ち合わせも可能です
レスキュープリントは岐阜県(岐阜市)と愛知県(名古屋市・一宮市)で合計3店舗を展開しています。東海地区のお客様に関しては店頭にて直接スタッフとご相談、打ち合わせが可能です。最寄りの店舗へお電話頂き、ご来店頂く日時をお伝えいただければスタッフが対応いたします。
Profile:
坂下大輔
コピンピア一筋21年。会社随一のアイデアと閃きで、社内外に向けたいくつもの企画を成功に導き社長賞を何度も受賞。知識よりも感覚で仕事をするのが好きで、簡単なデザインならデザイナーに依頼せずに自分で作成してしまうことも。社員旅行では宴会ではしゃぎ過ぎる一面も持ちながら、息子の影響でFC岐阜とお寺巡りにはまっている。日本酒が大好きなのに焼酎が飲めないという変わったお酒好き。