ポートフォリオとは自身のデザインや企画などの制作物をまとめた作品集として、自身の作品をPRするツールとして就職活動などで使用されるものになります。主にデザイン関係やクリエイター志望の方が企業への自己PRツールとして作成されるものになります。
せっかくのアピールツールも、受け取った方にとって読みづらい、見にくいものであると逆効果になってしまう事もあります。
そこで今回はこれまでご注文頂いた実績を元にポートフォリオの作り方についてお話しさせて頂きます。
改めて「ポートフォリオ」とは?
先に述べたようにポートフォリオとは自身が作成したデザインや企画などをまとめたもので、自分のスキルを相手に伝える事が出来るツールとなります。主に就職活動などに用いられ、企業に自分をアピールする際に、履歴書や経歴書だけでは伝わらない自分の魅力を感じてもらうために必要なアイテムとなります。
作品集としての意味合いもありますが、ポートフォリオになると作品集を兼ねた自分自身のプレゼン資料という意味合いもあります。自分が作成した作品だけでなく、意図やビジョンも入れていくことで第一印象をわかりやすく伝えるための印刷物となります。
オリジナルの作品集についてはこちらのコラムで詳しくお話をさせて頂いております。
ではその作品集に何を入れればポートフォリオとして成立するのでしょうか。
ポートフォリオに入れておきたい項目とは?
ポートフォリオの作成に関して、入れておきたい要素は以下になります。
ポートフォリオの構成 |
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①自己紹介やプロフィール |
②自身のスキルのレベル |
③自分の目指す方向性 |
④自身の作品紹介(制作意図も含めて) |
⑤制作に関するフロー |
①自己紹介やプロフィール
履歴書などと一緒にお渡しするものになるので省略してしまいがちですが、ポートフォリオにもしっかりと自己紹介を入れる事が重要です。そこには履歴書に書ききれなかった自分の信念やこだわり、また、デザインなどでの受賞歴や今まで自分が携わってきた事業など、詳細な情報を入れる事で履歴書にはない魅力を伝える事が可能です。
②自身のスキルのレベル
自身が扱う事が出来るソフトやツール、言語についてのいわば「強み」をアピールする項目になります。具体的なソフト名やツール名を挙げていく事で信頼度を増すことが出来ます。
③自分の目指す方向性
自分自身が応募する企業に入社して目指して行くビジョンや、身につけたいスキルなどを記載する事で募集する側の希望する人材の条件にマッチしやすくなります。この項目は企業側の希望する職種や人材をしっかりと理解した上で記載する事が重要になってきます。
④自身の作品紹介(制作意図も含めて)
当たり前になってきますが自身の作品を入れていきます。その際には1ページに数点の作品を掲載するのはあまり好ましくないようです。1ページに1作品を掲載し、その制作意図やコンセプト、制作年月日や制作に要した時間、使用したソフトやツールなど、作品に関しての注釈をしっかりと入れておくのがポイントとなります。
⑤制作に関するフロー
自身が作品を制作するにあたってどのように進めていくのか、記載する事で、その人の仕事の進め方を見る事が出来ます。作品紹介の際に、この作品を作成するにあたって、どのような手順で進めていったのか、という部分はその人のスキルの表現にも繋がります。こちらはなかなか文章で表現するのは難しい場合もありますので、フロー図等を用いて入れられることもあります。
ポートフォリオの製本方法について
作成したポートフォリオを印刷する事になった場合、どのような製本方法が最適なのでしょうか。企業側から仕様を求められていない場合にはページ数に応じた製本方法を選んでいく事になります。
作品集の場合には自分の作品をより多く掲載する事が目的となりますが、ポートフォリオの場合には、掲載する作品は10~20程度にするのが妥当とされています。あまりに多くの作品を掲載すると読み手側も疲れてしまうばかりか、1点1点の作品の印象が薄れてしまいます。同じテイストの物ばかりになってしまわないように、パターン別で10点ほどの作品、それについての紹介などを入れていくのが良いとされています。
それではどのような製本方法があるのか見ていきましょう。
中綴じ冊子での作成について
中綴じ冊子で作成する場合にはページ数が4の倍数であることが条件となります。つまり4、8、12、16、20、24、28、32・・・といった構成であることが条件となってしまいます。例えば12ページの冊子を作成している途中で追加したいページが出てきてしまった場合、1ページ追加しただけでは合計13ページとなり、あと3ページ分追加する必要が出てきます。
しかしポートフォリオを作成する場合、読み手側がパラパラとめくりながら読むことが出来る利便性と、見開きで大きく表現できるデザイン性を兼ね備えており、おススメの製本方式となります。
中綴じ冊子についてはこちらのコラムで詳しくお話しさせて頂いております。
見開きを上手く使いましょう
先ほど記載した通り、中綴じ冊子での作成した場合にはページをしっかりと開く事が出来るため、見開きで大きく表現する事が可能です。
例えばA4仕上がりの中綴じの場合、開いた時にA3サイズとなるため、片方のページに作品、片方のページに説明、といった形で広く表示面を使う事が出来るのです。
また、短辺綴じのA4横型での中綴じを使う事で、作品をより大きく表示する事も出来るのです。
無線綴じ冊子での作成について
もちろん、構成やデザインの配置などを考えれば無線綴じでの作成も可能です。無線綴じでは表紙を付けて高級感を出すことも出来るのでしっかりとしたポートフォリオを作成する事が出来ます。目次やノンブルを入れて読み手が読みやすい工夫を施すことも可能です。
もちろん無線綴じでも短辺綴じの横型の冊子を作る事は可能です。
無線綴じについての詳細や、長辺綴じ、短辺綴じについては以下のコラムをご参照ください。
最適な印刷方式と部数について
印刷用のデータが完成したら後は印刷をするだけです。自宅のプリンターやコンビニのプリンターで印刷をすることも可能ですが、せっかくの自分の作品集ですので品質にもこだわりたいところ。
その場合印刷会社やネット印刷で発注するのが一番おススメです。
印刷方式は大きく分けて2種類あります。
一つ目は大量の印刷に向いている「オフセット印刷」
二つ目は小ロットの印刷物に向いている「オンデマンド印刷」です。
品質だけで言えば版から作成するオフセット印刷はプロ向きであり、高精細な印刷物を作成することが出来ますが、その反面、小ロットでの印刷の場合、非常に割高になってしまったり、オフセット印刷専門の印刷会社では少部数に対応していないところもあります。
ただ、ポートフォリオという事で何千部と印刷をする事はよほど無いかと思います。
したがって少部数印刷が得意なオンデマンド印刷での作成が最適な印刷方法と言うことが出来ます。またオンデマンド印刷機の機能も年々上がって来ているので、オンデマンド印刷だから綺麗に印刷が出来ない、という事もありません。
レスキュープリントでは先ほど説明させて頂いた製本に関しても、少部数対応で1冊からでも作成可能となります。
印刷用紙について
ポートフォリオを作成する上で必要になる工程が印刷用紙の選定です。印刷内容がデザインや写真、イラストがメインであることを考えると、印刷用紙はコート紙やマットコート紙など、デザインが映える印刷用紙を使用する事が多くなります。また、デザイン部分や写真部分以外に自己紹介文などの文字も多く入る場合には光沢を抑えたマットコート紙がおススメとなります。
用紙の厚みについては以下の通りになります。塗工紙であるコート紙、マットコート紙では同じキロ数でも厚みに違いが出てきますのでご注意ください。
また、製本として作成する場合、無線綴じ冊子はもちろん、中綴じ冊子でも本文と表紙の用紙の種類や厚みを変える事は可能です。
まとめ
ポートフォリオは自分のスキルをアピールする大切なツールになります。少々面接で緊張してしまっても、作成したポートフォリオが相手の手元に残り、作成者の魅力を雄弁に語ってくれます。そしてそのポートフォリオを相手に見やすく、かつわかりやすく、しっかりとした印刷物として制作する事もアピールポイントの一つになるわけです。
また、レスキュープリントではご要望があれば印刷用のデータも一定期間保管させて頂きますので、様々な理由で再度ポートフォリオが必要になった時、増刷も簡単に行う事が出来ます。
ページ数や仕様、必要な部数などがわかったら、是非一度レスキュープリントへご相談ください。
Profile:
坂下大輔
コピンピア一筋21年。会社随一のアイデアと閃きで、社内外に向けたいくつもの企画を成功に導き社長賞を何度も受賞。知識よりも感覚で仕事をするのが好きで、簡単なデザインならデザイナーに依頼せずに自分で作成してしまうことも。社員旅行では宴会ではしゃぎ過ぎる一面も持ちながら、息子の影響でFC岐阜とお寺巡りにはまっている。日本酒が大好きなのに焼酎が飲めないという変わったお酒好き。