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投稿:2024.9.26 更新:2024.9.26

     

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無線綴じ製本のつくり方を大公開!目指せ、無線綴じマイスター!?

はじめに

「無線綴じ製本」という言葉を耳にしたことはある人は多くても、どのようにして製作しているかをご存じの方は少ないはずです。無線綴じは報告書や論文、テキストや文集といった誰もが一度は手にしたことがある冊子に利用されている製本方法です。今回のコラムでは、その無線綴じ製本がどのようにしてできるのか、その工程を詳しく解説していきます。印刷データの作成から、製本工程の細かな部分までを知ることで、無線綴じ製本の魅力を再発見できるはずです。このコラムを読み終わるころにはあなたも「無線綴じマイスター」になっているかも!?ぜひ最後まで読んでみてください。

無線綴じの用途とは

無線綴じ製本とは?

まずは、以前のコラムにも記載されていた基本部分のおさらいです。
無線綴じ製本とは、背の部分に糸や針金を使わず、製本用の糊で糊付けをする製本方法です。表紙で本文をくるむため、「くるみ製本」と呼ばれたりもします。糸や針金を使用しないことですっきりとしたきれいな仕上がりとなることや、ページ数が多い印刷物を製本するのに向いている為、報告書や論文、テキストといった身近な冊子から社史や記念誌といった高級感を求められる冊子にも採用されています。また、糊でし っかりと接着されている為、長期保存に適しているおり、丈夫で開けやすいのも無線綴じ製本の特徴です。カタログやパンフレット、写真集といった写真やイラストを多く使用する冊子にも採用されている製本方法というのも納得の理由です。

無線綴じ製本を解説したこちらのコラムもぜひご覧ください。特殊な糊を使用した無線綴じ製本「PUR 製本」もこちらのコラムで紹介しています。

【中綴じ製本との違い】
無線綴じ製本と並んでよく利用される製本方法が中綴じ製本です。中綴じ製本は印刷物を重ねて見開き中央部分 2 か所をホチキスや針金で綴じる製本方法です。ページがフラットに開きやすく、見やすいのが特徴です。ページ数が少ない冊子や、無線綴じ製本に比べて安価に製作できることから、身近なところでは週刊誌のほかにフリーペーパー、会社案内といったパンフレットなどに多く採用されている製本方法です。無線綴じ製本との違いには綴じ方のほかに、必要な製作日数やコストも異なります。
中綴じ製本をもっと知りたい方はこちらのコラムをどうぞ。

どちらの方が優れているということではなく、つくりたい冊子の内容や目的、予算に合わせて最適な製本方法を選ぶことが大切です。
製本方法の選び方はこちらのコラムをご参照ください。

無線綴じ製本の工程を大公開!

データの作成と入稿

無線綴じ製本をつくる第一歩は、印刷データの作成です。

データ作成によって最終的な仕上がりにも影響が出るので、とても重要な工程です。

まず、つくりたい本の内容をパソコンなどでレイアウトしていきます。多くの方はWord や PowerPoint といった office 系ソフトを利用して印刷データを作成されると思います。使いやすいソフトで編集を行っていけば良いですが、最終的なデータ形式は【PDF 形式】で保存するということを覚えておきましょう。これは、Word やPowerPoint といった office 系ソフトのままで印刷会社にデータを送ると、その印刷会社のパソコンの環境とあなたのパソコンの環境の違いから、文字化けや意図しない改行などのトラブルが発生する可能性がある為です。せっかくこだわって編集した印刷デ ータですので、そのこだわりがそのまま反映さえるよう【PDF 形式】で保存することが大切です。また、【PDF 形式】で保存する際のポイントがあります。それは、保存する際に「フォントを埋め込む」ことです。フォントを埋め込まなくても PDF 形式であれば、多くのトラブルを防ぐことができますが、それでもゼロではありません。フォントを埋め込んだ【PDF 形式】を印刷会社に送ることで、より確実に文字化けなどのトラブルを防ぎましょう。
保存時のフォントの埋め込み方法はこちらのコラムをご参照ください。

報告書や論文、社史や記念誌といった冊子データを作成する際に、挿入することが多い画像データ。実は office 系ソフト上でも画像の明るさを調整できることをご存じでしたでしょうか。こちらのコラムを参照することで、よりこだわり抜いた印刷データを作成することができます。

データ作成時に無線綴じ製本特有の注意点もあります。それは、無線綴じ製本の『ノド』の部分を考えて印刷データを作成することです。『ノド』とは、冊子を開いた時に中央となる冊子の綴じ側のことを指します。無線綴じ製本は多くのページ数を製本でき、糊でしっかりと接着するという特性上、ページ数が増えれば増えるほど『ノド』部分が開きづらくなります。せっかく仕上がった無線綴じ製本を開いてみて「真ん中くらいのページの綴じ部分が少し見づらい。」が第一声となっては残念です。冊子の綴じ側『ノド』を意識して、余白をしっかりと取ったデータ作成が無線綴じ製本の成功の秘訣です。

無線綴じのノドとは

次に、こだわり抜いた印刷データを入稿します。『入稿』とは、印刷会社に完成したデ ータを送ることを言います。印刷会社に問い合わせた際に、「入稿するデータ形式はPDF 形式で良いか。」とか「入稿期限はいつか。」など、『入稿』という言葉を使いながら問い合わせると、印刷会社の担当者からも「ただの一般のお客さんじゃないな。」と思われるかもしれません。積極的に『入稿』という言葉を使ってみましょう。
入稿は直接印刷会社に持ち込んでも、メールで送付しても大丈夫です。データ容量が大きい場合でも大容量ファイル送信サービスなどを活用すると、メールでの送付も可能です。

印刷

稿されたデータを使用して印刷を行っていきますが、印刷の工程に移る前に、印刷会社ではさまざまな確認作業を行っていきます。データ形式やフォントの埋め込み、ページ順や『ノド』をはじめとした余白の有無など、その確認作業は多岐にわたります。これらの確認は印刷ミスの防止や、お客様の意図通りの仕上がりを実現するために欠かせない作業となっています。こうした確認作業をクリアしたデータでようやく実際の印刷工程に取り掛かります。
無線綴じ製本の印刷工程では、本文と表紙がそれぞれ印刷されます。印刷方法としては、主にオフセット印刷とデジタル印刷(オンデマンド印刷)の 2 種があります。どちらの印刷方法にもメリットとデメリットがあり、簡単にまとめると以下の表になります。

印刷方式メリットデメリット
オフセット印刷高品質な印刷が可能初期費用がかかる
大量生産に適している小ロットには不向き
デジタル印刷
(オンデマンド印刷)
小ロット印刷に適している大量生産には不向き
短納期で印刷が可能
データからの直接印刷
バリアブル印刷が可能

オフセット印刷とオンデマンド印刷の違いがもっと知りたい方はこちらのコラムもご覧ください。

レスキュープリント 110 番ではオフセット印刷、オンデマンド印刷のどちらにも対応可能ですが、オンデマンド印刷を主力とし、無線綴じ製本を小ロットでつくれることを強みとしています。卒業文集や卒団文集、オリジナル作品集、サークル紹介冊子といった冊子は小ロット印刷が最適な冊子と言えます。

オンデマンド印刷ではお預かりした冊子データを『ノンブル』を振るなどして出力用データに加工、デジタルプリント機(オンデマンド印刷機)にデータを送信し、印刷を行います。
商用で使用するデジタルプリント機は、コンビニやオフィスにあるコピー機とはスピ ードも性能も大きく異なります。

本文、表紙がともに印刷できたら、いよいよ製本工程です。

製本工程

1 冊の無線綴じ製本を仕上げるには、いくつかの工程があります。製本作業を行う際の工程を順番にみていきましょう。

製本工程

【丁合(ちょうあい・ちょうごう)】
オフセット印刷で印刷された紙はページ順に並んでいるのではなく、同じページが冊数の分だけ重なった状態で印刷されてきます。これは、版を利用して印刷を行うオフセット印刷の特性とも言えます。このままの状態で製本作業を行っては同じページばかりの製本が仕上がってしまいますので、まず、印刷された紙をページ順番に重ね、冊子にするための単位である「丁」をつくります。この作業は丁合機と呼ばれる機械で行われます。
ちなみにデータからダイレクトに印刷を行うオンデマンド印刷は、印刷された段階で丁合がされています。これも、オンデマンド印刷の特性と言えます。

【背切り】
「丁」の上下をそろえ、背の部分を数ミリ切り落とします。これは、糊付けの効率化や仕上がりの平滑化を目的としており、つまり、背切りを行うことで「耐久性」「見た目の美しさ」「本の開きやすさ」を向上させます。その際、ラフニング加工と呼ばれる切断面をわざと粗くする加工を行うことがあります。この加工を行うことで糊との密着性をさらに高め、丈夫で開きやすい無線綴じ製本をつくることができます。

【糊付け】
糊付け機と呼ばれる機械で背の部分に、熱で溶ける接着剤を塗布します。この接着剤は、ホットメルト接着剤と呼ばれ、高い接着力と速乾性が特徴です。一般的な無線綴じ製本には EVA 糊を使用しますが、EVA 糊よりも強度が高く、大きく開くことができる PUR 糊を使用して無線綴じ製本を作ることもできます。
PUR 製本の詳細はこちらのコラムをご覧ください。

【圧着】
糊付けした「丁」をプレス機で強く圧着し、接着剤を完全に固めます。この工程で、本の背がしっかりと固定されます。

【表紙掛け】
表紙を「丁」に貼り付けます。貼付けには背の部分に糊付けをした時と同様に、ホットメルト接着材を使用して貼り付ける方法が一般的です。

【断裁】
製本された冊子を、断裁機で正確なサイズに切りそろえます。断裁機の刃の切れ味が悪いと紙がつぶれたり、切り口がギザギザになってしまったりするので、刃の手入れも欠かせません。

【検品】
製本された冊子を 1 冊ずつ丁寧に検品し、不良品がないか確認します。

【梱包】
検品に合格して完成した無線綴じ製本を、5,10,20 などといった本の厚さに合わせた単位で梱包します。

まとめ

今回は無線綴じ製本のつくり方をご紹介しました。無線綴じ製本は印刷データの作成から始まり、印刷、製本という工程を経て完成します。1 冊の冊子もこれだけの工程を経て完成することを知ると、手に取った時の思いも少し変わってくるかもしれませんね。また、それが自分の冊子だと感動も一味変わってくるはずです。このコラムをここまで読んでいただいた方は「無線綴じマイスター」に 1 歩近づくことができたと言えます。無線綴じ製本は報告書や論文、テキストや文集、記念誌といったさまざまな製本に利用される製本方法です。ご自身のオリジナルの冊子製作に挑戦し、更に 1 歩「無線綴じマイスター」に近づいてみてはいかがでしょうか。


Profile:

加藤雄三 
商業施設での商業サインや印刷物を得意とするアラフォー社員。作業員としても夜間作業に従事するため、昼間にお客様に会うと「今日はちゃんとした格好してますね」と言われてしまうが、れっきとした営業職。アラフォーなのに社内ではいまだに「若手社員」と言われてしまうのが最近の悩み。プライベートでは妻・娘と過ごす休日と週末に飲む安いウィスキーの水割り(薄い)をこよなく愛する。

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