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無線綴じ冊子を作成する上で重要になってくるポイントについては、これまでもいくつかご紹介させて頂きましたが、今回は無線綴じ冊子の「ノド」と呼ばれる部分について少しご説明させて頂きます。

そもそも無線綴じ冊子の「ノド」って何?

ここで言う「ノド」とは冊子を開いた際に内側に来る部分(綴じてある側)の事を指します。反対に外側に来る部分の事は「小口(こぐち)」と呼びます。いずれも冊子製本での専門用語であり、一般的にはなかなか知られていない言葉かもしれません。

この「ノド」という言葉自体は覚えておかなくても大丈夫なのですが、冊子の「ノド」の部分の存在については冊子を作成する上で、特に「無線綴じ冊子」を作成する上で非常に重要な部分となります。

無線綴じ冊子の「ノド」の重要性とは?

冊子印刷において、無線綴じ冊子にも、中綴じ冊子にも「ノド」は存在しますが、中綴じ冊子に関しては冊子をいっぱいまで開く事が出来るため、「ノド」についてそこまで気にすることはなくなります。しかし無線綴じ冊子については接着剤を使用して綴じる形式となり、製本になった時に、冊子をしっかりと開き切る事が出来ません。したがって、ノドに近い部分に関しては読みにくくなってしまうのです。

特に無線綴じ冊子に関しては多くのページ数を冊子に出来るメリットはありますが、反面ページ数が多くなればなるほど、この「ノド」に注意してレイアウトする必要があります。中綴じ冊子に関してもページ数が多くなると全体の厚みによって場合によっては見えにくい部分も出てきます。読ませたい文字についてはどちらの製本方式でもノドを開けておくのがいいでしょう。

「ノド」はどれくらい空けておけばいいの?

ノドの部分を空けるとして、どれくらい空ければいいのでしょうか。

一概に冊子といってもページ数によって厚みが変わってきます。同時にページ数が多くなり、厚みが出れば出るほど冊子は開きにくくなってきます。

通常無線綴じの場合には50頁以下の場合は10mm、50頁以上の場合は20mm、100頁を超える場合には25mm程度開けるのが良いとされています。

また、小口に対してもギリギリではなく最低5mm以上(10mm以上が好ましい)開けておくことで裁ち落としの際の文字切れも防ぐ事が出来ます。ノンブルなどを後から入れる場合も、ノンブルが入る部分を空けておくといいでしょう。

ノドの余白ばかり気を取られて、全体のバランスがおかしくなってしまわないようにするのも、見やすい冊子作成のポイントとなります。

ノンブルについてはこちらに詳しく説明しております。

「ノド」の余白が上手く設定出来ない場合

「ノドの重要性は分かったけど、上手く余白を設定できない・・・」

そんなお客様の声も多数頂きます。左右のページ、そこに対して裏表を考えながらノドの余白を考えて・・・なかなかハードルが高い作業になります。

その場合にはレスキュープリントへご相談ください。お手持ちのデータを拝見させて頂き、印刷時に可能な限りノドの余白を設定させて頂きます。

またデータを作成している場合には余白の設定が上手く出来るかもしれませんが、紙原稿をスキャンしたデータなどの場合にはそうはいきません。

事例紹介コーナーでもご紹介させて頂いております、合唱団様の楽譜の印刷については、楽譜部分がスキャンデータだったという事もあり、お客様の方ではノドの余白を開ける事が出来ません。ご入稿データを印刷時に調整させて頂き、無事にノドの余白を開ける事が出来ました。是非お客様のお喜びの声とともに実際の事例を御覧ください。

「ノド」を強引に開くと無線綴じ冊子は壊れてしまいます。

ノドの余白が少ない場合、見えにくいからと言って無理やり無線綴じを開いたり、グ~っと手で押して開いて使っていると、「ノド割れ」という現象が起き、冊子を綴じている糊が剥がれてしまい、冊子が開きっぱなしになってしまう現象が起きます。

冊子の内容の都合上、ノドの余白が十分とれない場合には1ランク上の無線綴じ冊子「PUR製本」という製本方法で問題を解決する事が出来ます。

PUR製本は無線綴じよりも耐久性に優れた糊を使用して綴じる製本方法となりますので、一般的な無線綴じ冊子よりもしっかりと開く事が出来、ノドの余白が少ない場合でも綴じ側の方までしっかりと見る事が出来ます。

ただし、PUR製本は納期もコストも通常の無線綴じ製本と大きく異なりますのでご注意ください。

PUR製本についてはこちらのコラムをご参照ください。

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レスキュープリントでは店舗での打ち合わせも可能です

レスキュープリントは岐阜県(岐阜市)と愛知県(名古屋市・一宮市)で合計3店舗を展開しています。東海地区のお客様に関しては店頭にて直接スタッフとご相談、打ち合わせが可能です。最寄りの店舗へお電話頂き、ご来店頂く日時をお伝えいただければスタッフが対応いたします。

最後に

今回は普段の生活の中でなかなか耳にすることがない、無線綴じ冊子の「ノド」についてお話しさせて頂きました。この言葉自体を知らなくても問題はありませんが、やはり冊子作成する上で余白の設定を上手く行う事で、見やすい冊子に仕上げる事が出来ます。

いざ、冊子を作ろうと思った時に、「そういえばノドに注意ってどこかに書いてあったなぁ~」と思い出して頂ければ幸いです。


Profile:

坂下大輔 
コピンピア一筋21年。会社随一のアイデアと閃きで、社内外に向けたいくつもの企画を成功に導き社長賞を何度も受賞。知識よりも感覚で仕事をするのが好きで、簡単なデザインならデザイナーに依頼せずに自分で作成してしまうことも。社員旅行では宴会ではしゃぎ過ぎる一面も持ちながら、息子の影響でFC岐阜とお寺巡りにはまっている。日本酒が大好きなのに焼酎が飲めないという変わったお酒好き。

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