
当サイトのコラムでもこれまで何度か取り上げさせている「無線綴じ冊子」。一言で無線綴じ冊子といっても、その使用用途で呼び名は様々であり、小冊子、論文、報告書、同人誌、記念誌・・・・などなど・・。
冊子の作成を予定した時に「無線綴じ冊子を作ろう!」とはならず、「報告書 印刷」や「論文の印刷」、「記念誌を作りたい」など、用途での検索をする方がほとんどだと思います。
したがって、製本方法である「無線綴じ冊子」という呼び名はあまり一般的ではありません。
使用用途に応じた製本方法である「無線綴じ冊子」「無線綴じ製本」について、今回はどのように使われる方法なのかを改めて見ていきたいと思います。
まずは無線綴じ冊子ってそもそも何?
「無線綴じ冊子」とは一般的に本文用紙を表紙でくるみ、背中部分を接着剤で綴じる形の製本方式となります。

背の部分に糸や針金を使わず、製本用の糊で糊付けをする製本方法となり、表紙で本文をくるむため、「くるみ製本」と呼ばれたりもします。糸や針金を使用しないことですっきりとしたきれいな仕上がりとなることや、糊でしっかりと接着されている為、長期保存に適しているおり、丈夫で開けやすいのも無線綴じ製本の特徴です。
一般的には頁数の多い印刷物を製本するのに向いており、その厚みの分だけ背表紙が出来るため、背文字も印刷する事が出来、製本を整理する時に一目で製本の内容が把握出来るというメリットがあります。
無線綴じ冊子は「表紙」を付ける事で、中綴じ冊子には無い高級感を出すことも出来ます。本文との用紙の厚みを変更するだけでなく、色上質紙やレザックを表紙として使用する事で、オーソドックスなモノクロの冊子、というイメージを変え、質感やイメージを大きく変える事も可能となります。もちろん中綴じ冊子でも表紙部分となる用紙だけ他と変更する事も可能です。
また、「ページ数が多いものを製本可能」という無線綴じ冊子ならではのメリットを合わせる事で、背文字を作成する事も出来、製本が並んだ時にもその高級感を感じる事が出来ます。
背表紙に文字を入れる事で保管時に管理がしやすくなり、棚に並べた状態でも取り出しやすくなります。
ただし、背表紙を入れるためには、ある程度の厚み(5mm程度)が必要になります。
本文用紙を上質紙70kとした場合100頁位のページ数が必要になりますのでご注意ください。
無線綴じ冊子の使われ方
それではどのようなシーンで無線綴じ冊子が使用されているのかを具体的に見ていきましょう。
~報告書の印刷~
報告書のほとんどはページ数が多くなり、その製本方法としては「無線綴じ」での製本が主流となります。また、報告書に無線綴じ冊子が多く用いられる理由はページ数の多さだけではありません。提出用や保管用として作成される報告書は「しっかりとした製本」が求められ、ページ数が多く厚みがある無線綴じ製本の場合には、先ほど説明させて頂いたように背表紙に文字を入れる事が出来るため保管にも適した冊子となるわけです。
~オリジナルのテキストや問題集の作成~
大学などで使用する語学のテキスト、学習塾、英会話教室などで使用するテキスト、講習会などで使用するレジュメやセミナーテキストは、受講する生徒さんにとって必須アイテムとなります。
無線綴じで作成する場合、書き込みなどをするテキストというよりは教科書や問題集等といった使われ方をします。綴じ側が開き切らないため、綴じ部分には余白を作成し、読めなくなってしまうという事を防ぐことが必要になってきます。
しかし、無線綴じ製本は耐久性が高く、長期で使用するテキストや問題集に適した製本方法とも言えます。ページ数が多いものに関しても目次やページ番号を入れる事で読む側に対して説明がしやすく、背文字を入れた表紙を作成する事で、保管時に一目で内容を把握出来るように整理できます。
~文集の作成~
幼稚園、保育園、スポーツ少年団やクラブチームなどの卒園、卒団文集や、学校の卒業文集などにも無線綴じ製本は多く用いられます。
掲載する情報が少なく、ページ数が少ない場合でも、記念品となる冊子は耐久性が高い無線綴じが向いており、ハードカバーなどでは高価になる冊子も限られた予算の中で比較的安価に作成する事が出来ます。
~論文の印刷~
教育関係、学術研究の場で必要となる「論文」。
論文と言っても用途は様々ですが、どの論文も学業や研究に関わり、論文作成に携わった方々の努力の結晶である事に違いはありません。
したがって論文を冊子として製本する際には「耐久性」「高級感」を出すために無線綴じでの製本という手法が多く用いられます。
学術の研究成果である論文以外にも、学生生活には欠かせない「卒業論文」も無線綴じで作成されることが多くあります。あくまでも提出用として作成する事が多くなりますので印刷部数も小ロットであることが多くなります。オンデマンド印刷を利用すれば無線綴じ冊子も1冊から作成可能となります。
こんな時にも無線綴じ
上記に紹介させて頂いた商材以外にも、無線綴じは様々なシーンで用いられます。
~ポートフォリオの作成~
ポートフォリオとは自身のデザインや企画などの制作物をまとめた作品集として、自身の作品をPRするツールとして就職活動などで使用されるものになります。主にデザイン関係やクリエイター志望の方が企業への自己PRツールとして作成されるものになります。
主に就職活動などに用いられ、企業に自分をアピールする際に、履歴書や経歴書だけでは伝わらない自分の魅力を感じてもらうために必要なアイテムとなります。
作品集としての意味合いもありますが、ポートフォリオになると作品集を兼ねた自分自身のプレゼン資料という意味合いもあります。自分が作成した作品だけでなく、意図やビジョンも入れていくことで第一印象をわかりやすく伝えるための印刷物となります。
ページ数が多くなければ中綴じ冊子で作成する事もありますし、しっかりとした製本方法で仕上げるのであれば無線綴じでの作成も可能です。
~自分史の作成~
「自分史」とはその名の通り「自分」のこれまでの人生を振り返り、その歩んできた道を文字として書き起こし、冊子として記念に残しておくものとなります。
自分が歩んできた人生は自分だけのものとなり、他の人と同じわけはありません。そういった意味では自分が主人公となる自分史はこの世に1冊だけの特別な冊子となります。
親しい方や家族へ自分の歴史を後世に残す、という意味合いもありますが、自分の人生を振り返る事で新たな発見があり、自分自身を理解する事で「やりたかったこと」や「新しい趣味」などを発見できることもあるかもしれません。
特に長く勤めあげてきた仕事も定年を迎え、毎日忙しかった日々に余裕が出た方が作成されることが多い冊子になります。
長く残しておきたいという部分で、耐久性がある無線綴じで作成されることも多くなります。また、自分の手元に、家族の手元に置いておくための冊子となりますので、こちらの少部数で印刷する事が多く、オンデマンド印刷での作成がおススメとなります。
横型の無線綴じ冊子も作成可能
無線綴じ冊子は縦型や定型サイズばかりではありません。
正方形の無線綴じ冊子や短辺綴じとなる横型の無線綴じ冊子も作成可能です。
特に横型の短辺綴じで作成する無線綴じ製本は開いた際に手元に開いて置きやすく、テキストなどでも使用されます。また、文集など、作文用紙に書かれたものを冊子にする場合、原稿が横向きであることが多くなりますので横型の冊子にする事もあります。
こちらの事例では学習塾の生徒さんのアンケートをまとめた冊子となっており、アンケート用紙が縦型となっていますので縦型の冊子にした場合1ページに1枚のアンケート用紙しか掲載が難しくなるところを、横型にすることでページ数を抑え、且つ見やすい冊子になっています。
無線綴じは決して難しい製本方法ではありません
無線綴じ冊子を作成しようとした際に、「どうやって作成していけばいいの?」という不安を持たれる方もお見えかと思います。
しかし作成が終わってみると、思いのほか簡単に作成出来た!という方も非常に多く見えます。
表紙や本文の用紙の選び方やデータの入稿に至るまで、自身で悩まれるよりもまずは相談頂ければ大丈夫です。作成にあたりいくつか質問をさせて頂きながら、やりとりを進めていく中で、きっと理想の無線綴じ冊子が完成いたします。
ご相談、ご質問だけでも大歓迎です。レスキュープリントではお客様に必ず専任の担当者がサポートいたします。お気軽にお電話やメールにてお問合せください。
レスキュープリントでは店舗での打ち合わせも可能です
レスキュープリントは岐阜県(岐阜市)と愛知県(名古屋市・一宮市)で合計3店舗を展開しています。東海地区のお客様に関しては店頭にて直接スタッフとご相談、打ち合わせが可能です。最寄りの店舗へお電話頂き、ご来店頂く日時をお伝えいただければスタッフが対応いたします。

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Profile:
坂下大輔
コピンピア一筋21年。会社随一のアイデアと閃きで、社内外に向けたいくつもの企画を成功に導き社長賞を何度も受賞。知識よりも感覚で仕事をするのが好きで、簡単なデザインならデザイナーに依頼せずに自分で作成してしまうことも。社員旅行では宴会ではしゃぎ過ぎる一面も持ちながら、息子の影響でFC岐阜とお寺巡りにはまっている。日本酒が大好きなのに焼酎が飲めないという変わったお酒好き。